こどもの矯正歯科治療を無計画に早く始めても,ほとんど意味がない事を以前御説明しました.
こどもの時にデコボコや前歯の反対咬合などを一時的に治す事は比較的簡単です.
せっかくこれらの咬合異常を治したとしても,その後の永久歯の萌出や顎骨の成長により咬合関係が変化してしまう事があります.
というより,信頼性の高い研究では,こどもの時の矯正歯科治療により大人の矯正歯科治療が必要と無くなった症例は2割程度しかないそうです.
しかも,これらの治療を手がけたのは大学の矯正専門医です.
ですから,最適な時期に将来の成長や顎関係などを予測して治療しなければこどもの時の矯正歯科治療は無駄になってしまう事があるのです.
しかし,多くの一般歯科医院では安易に,こどもの矯正治療に開始する傾向にあります.
これは,こどもの矯正ならあまり細かい事を患者さんから言われないだろうという考えや,将来は矯正専門医に任せればいいやといった考えがあるからだと思います.
いくら,こどもの矯正歯科治療とは言え,健康保険は適用出来ませんので30万円から50万円程度は必要となります.
しかし,この矯正歯科治療がほとんど意味のないものだったら,あなたはどうしますか?
意味のない負担をこどもに与え,しかも高額な治療費を支払わなくてはならないのです.
将来的に矯正歯科治療をしなければならないのなら,適切な時期に充分な治療費を支払えるよう蓄えておく方が良いと思います.
posted by NandH at 17:03
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
こどもの矯正歯科治療